第1章2項
丹波の森「四度石遊山」を訪ねて

陽春のある日曜日の昼どき、丹波路の川代渓谷を車で走っている。
「ほら、あそこを見てごらん、あの川辺で大きな恐竜の化石が発見されたんだよ。」
「へえー、そうなの。新聞やテレビで取り上げられていた所があそこなの。」
妻は興味深げに指さす方向を見つめている。

車はやがてJR谷川駅から篠山川を渡り、山と平行に走る。
「ここにも最近、太古の住居跡が発見されたんだよ。」
「化石といい、古い住居跡といい、訪ねてみたくなる場所なのね。」

しばらく走ると山南町役場が見えて来て、左折する角に「丹波の森」の表示が目に入って来る。

丹波の森