第4章2項
建具の現況

読者のみなさんに今後の参考のため、次のドア・引戸と続いて読んでもらいたい。

現在、最も多く施工されているものにすべての構造柱や梁を壁で包み込んで隠してしまう「大壁工法」があり、敷居、鴨居とが一体となったドアがセットになったユニット建具が簡単に取り付けられてしまう。紙やビニールシートの合板貼物のユニット建具がほとんどで、「パーティクルボード」や「フラッシュ戸」などがよく使われ、これらの建具は粗悪品も多く、劣化が早いので注意が必要である。

建材メーカーの提案したユニットシステムを採用するため建築工法に大壁工法を採り入れ、大半がこの建具になっている現状がある。

大壁工法のため、天井も壁もすべて覆いつくされ柱も梁も見えない家になってしまっている。

これとは逆に柱などを外に見せる「真壁工法」があり、この工法の家にはユニット建具を取り付けても納まりが悪いのでおすすめは出来ない。

つまり無垢材を使った個性的な伝統工法の建具を取り付けることが出来るのである。

「真壁工法」をすすめる理由がここにある。