せっかく無垢材の家を建てても建具が紙やビニールシート等でベニヤ板にプリント貼りしたまがいものでは建物と釣り合わず安っぽくなってしまう。 ドア・引戸 ドアは構造上、戸締りがよいが引き戸は開閉が楽で場所もとらず外気や採光の調節が自在である。枠の中に入る板を鏡板と言い、一枚板のものが最も良い。材質は杉、タモなど木目の美しいものがよく使われる。枠材は檜、杉、神代杉(じんだいすぎ)、ナラ、カシ、タモなどを使う。 格子戸(こうしど) 格子戸はさかのぼると書院建築から端を発したものであると思われる。もともと書院造りの濡縁の脇障子などにある扉に格子戸をつけるようになった繊細な建具のひとつである。 ガラス戸 縁側には枠が幅広の防塞ガラス戸がよく、枠の造りはひも出し隅丸で素材は主に檜である。 雨戸(あまど) 木枠のガラス戸の外に取り付ける雨戸は杉で造られたものが多い。本格を求めるならサッシなどはさけたいものである。 舞良戸(まいらど) 舞良戸は中期後期あたりからそれまで上げる操作の蔀戸(しとみど)から引き戸に順次変わって来た。近世初期の特に武家住宅などでは舞良戸と明け障子が一般的となった。 障子(しょうじ) 和室には縁や廊下と居室との仕切りに明かりを採り入れるための建具が設けられ、縦横に桟を渡して出来た小さい枠に和紙を貼ったものである。格子を上下に動かすと下のガラス面が出てくる「摺り上げ障子」「雪見障子」や「横繁障子」「縁側丸障子」など多種があり、いずれも落ち着いた和室の雰囲気をつくりだす。素材は杉、檜が使われる。 書院(しょいん) 和室には昔から造られており、床の間の脇に窓付の張り出しのある客間で、もともと書斎、学者の居室に造られていた。 襖(ふすま) 和風の部屋、押入れの仕切りなどに使う和紙・布を貼った戸、ふすま障子。「手漉本鳥の子ふすま紙」が最良の品と言われ、日本の紙幣にも使われている。又、中抜きして「組子細工」を入れたものもある。 欄間(らんま) 部屋の通風や採光を良くするため天井と鴨居や長押(なげし)との間に格子や透し彫りの板をはめ込んだ部分を言う。 |
天井 竿縁の杉の平天井が目に入ると日本人は居室での安らぎが充足されるのである。 鴨居(かもい) 鴨居は敷居と一対の型をとっている。鴨居から上部の荷重を支え、柱のねじれを防ぐ鴨居と構造的に補強する差鴨居がある。 縁側 縁側は憩いの場所、冬など日なたぼっこにもってこいである。 玄関上り框(あがりかまち)式台 玄関を入ると必ず式台があり、次いで上り框がある。そこにびょうぶが立てられここでまず来客の対応をするのである。 囲炉裏(いろり) 日本人の郷愁と呼ばれる囲炉裏は人の心に安らぎとゆとりを与えるものである。 越屋根(こしやね) 大屋根の一番上に設ける小屋根が越屋根で自然の換気や採光を採り入れる窓を設け、一階広間から二階に吹き抜けを組み合わせ自然の通り風を通したり遮ったり、採光も室内いっぱいに入れることも出来、天然のエアコンの役目をする。 納戸(なんど) 昔はほとんどの家に造られた小部屋ですぐに使わない道具類など収納範囲は多い。室内には棚も設け、壁、天井は調湿のよい杉板を使う。 |