日本の神社建築の一つである伊勢神宮の内宮、外宮の正殿に「唯一神明造り」として「壁板」(かべいた)と呼ばれる厚板の壁面があり、その構法を現代の建築に生かしたものである。
壁板の木はすべて天然の木で造られ、ビニールクロス貼りや合板は一切使わず、木の香りのする独特の住み心地を醸し出している。
室内環境汚染のない健康志向の木の家である。この構法で建てられた家を一般的に板倉造りと呼ばれている。

現在の日本の木造住宅の壁は合成樹脂接着材であるボンド臭の強い集成材である新建材の合板と合成断熱材で機密性を高め、日本の高温多湿の風土からみて、その居住性は健康上、適しているとは思われない。自然に呼吸する 天然木が調湿性に優れ、断熱保温効果も高く木造住宅の構造的改革が再認識されてきている。